試合に出始めた頃、息子はほとんど勝てませんでした。
「いつになったら勝てるのだろう」
そんな時間が、ずっと続いているように感じていました。
試合会場では、負けたあとに怒られて泣いている子を何人も見ました。
強い言葉で叱られている子。
中には、叩かれてしまうお子さんもお見かけしたことがあります。
私は叱りませんでした。
きっと本人が一番分かっていると思ったからです。
悔しいことも、足りなかったことも。
一番悔しいのは、本人だと思ったからです。
私が試合後にかけていた言葉は、いつも同じでした。
「おつかれさま」
それだけです。
アドバイスは、求められたときだけ。
反省は、本人が話し出したときだけ。
そして、よくあるのが
「このまま練習に行きたい」という言葉。
私は何も言わず、練習に連れて行きました。
悔しさをその日のうちにボールにぶつける。
それが、息子なりの消化の仕方だったのだと思います。
今振り返ると、
勝てなかったあの時間こそが、土台になっていると感じています。

